2024.06.10
〈 寄稿 本間正人 氏 〉
「教育学」を超える「学習学」の提唱者。
NHK教育テレビでビジネス英語の講師などを歴任。
京都芸術大学客員教授、らーのろじー(株)代表取締役
東京大学文学部社会学科卒、ミネソタ大学大学院修了(成人教育学 Ph.D.)
最新刊「100年学習時代」(BOW BOOKS)
習慣がない、という方に 「身体にいいこと、やってる?」と質問されて、このメールマガジンをお読みの方は、「はい!」と力強くお答えになるでしょう。
しかし、世の中には、「やろうとは思っているんだけど」と言葉を濁す人も少なくありません。 そして、そんな場面でよく耳にする代表的な言い訳のパターンが3つあります。すなわち「習慣がない」「時間がない」「もう歳だから」。
健康学習に限らず、あなたの周りにそんなことをおっしゃる方、いませんか?
3回シリーズの第一回は「習慣がない」という言い訳に対する傾向と対策をご紹介します。
何か「これをやろう」と思い立ったものの三日坊主になってしまった、という経験のある方、多いですよね。英会話、ダイエット、禁煙、そして「カラダにいいこと」。
僕は、NHK教育テレビで「ビジネス英語」の講師を3シーズンつとめましたが、テキストの売り上げは4月号から5月号になる時に、ガタッと下がります。 あるいは、「三日坊主になるのではないか」と懸念して、新しいチャレンジをとりやめた、という方もいるかも知れません。「羹(あつもの)に懲りて、膾(なます)を吹く」というケースもありそうです。
しかし、何事も始めないと続きません。そして、もし仮に長続きしなかったとしても、チャレンジしたことに、大きな意義があります。それは人間しかできないことだから。三日坊主を積極的に推奨しませんが、「自分には合っていなかった」と発見できれば、それも貴重な最新学習歴を更新したことになります。洋服でも試着しなければ、似合うかどうかわからないのですから。
AIやロボットは、「計算せよ」「印刷せよ」「加工せよ」などとコマンドを入力されたことを忠実に遂行します。逆に言うと、命じられたこと以外はしない、できないのです。
ところが、人間は「やってみよう」と発意できます。「あの丘を越えて行こう」「海の向こうに渡ろう」「こんな道具を作ってみよう」などと、チャレンジした先人がいたからこそ、文明は発展したのです。
ですから、これまで運動習慣がなかった人が、一念発起して「やってみよう」と言ったら、周りの人はブレーキをかけるのではなく、「いいね」と、応援してあげたいものです。(もちろん健康上、無理してはいけませんが。)
そして、習慣になるまで継続する秘訣は「楽しむこと」です。「気持ちいい!」「レベルが上がるのが楽しい」「誰かと一緒だとうれしい」「道具にこりたい」「エクササイズの後のビールの1杯がたまらない」、など、楽しみ方も人それぞれですが、ひとたび習慣になってしまえは、努力は必要ありません。むしろ、毎日やらないと、落ち着かないようになっていきます。
一般に「2週間、続ければ習慣になる」と言われています。ですので、まずは、始めること。そして、自分なりの楽しみ方を見つけることです。 さて、どこから手をつけましょうか?
本間正人氏 プロフィール
「教育学」を超える「学習学」の提唱者。NHK教育テレビでビジネス英語の講師などを歴任し、「研修講師塾」「調和塾」を主宰。誰もが最新学習歴を更新し続ける「学習する地球社会のビジョン」構築を目指す。
現在、京都芸術大学客員教授、らーのろじー(株)代表取締役、NPO学習学協会代表理事、一般社団法人クロスオーバーキャリア代表理事、一般社団法人キャリア教育コーディネーターネットワーク協議会理事、NPOハロードリーム実行委員会理事などをつとめる。
東京大学文学部社会学科卒、ミネソタ大学大学院修了(成人教育学 Ph.D.)。
コーチングやほめ言葉、英語学習法、などの著書80冊。最新刊は「100年学習時代」(BOW BOOKS)