2017.06.08
皆さんは,1日にどれくらい歩いていますか。
今回は,健康づくりと言えば,すぐに思い浮かべる運動「歩く(ウォーキング)」
をテーマに,東北大学の辻一郎教授の調査研究をご紹介します。
この調査・研究は,宮城県のとある保健所が管轄する地域の40歳から79歳までの
国民健康保険加入者全員を対象に,1日に歩いている時間に関する回答と
1か月あたりの医療費の関連を,9年間にわたっ調査・研究したものです。
(※ 病気や障がいを理由に「30分以下」と回答した人などは,調査対象から除く。)
結果は,表のとおりです。
■1日の歩行時間と1か月あたりの医療費
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1 日 の 歩 行 時 間
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1時間以上 30分~1時間 30分以下
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1か月 男性 25,230円 29,026円 30,177円
あたりの ————————————————————
医療費 女性 18,889円 20,476円 21,693円
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この結果を年間の医療費に換算すると,1日あたり「1時間以上」歩く人は「30分以下」しか
歩かない人に比べ,男性では約6万円/年,女性では約3万4千円/年の差となります。
どうやら「歩く」は,“カラダ”だけでなく“お財布”にもやさしいようです。
とは言いながらも“歩く(ウォーキング)”を日課にすることが難しい方は,例えば,
通勤・通学時にバス停1つ分歩いてみるとか,上下3階までの移動は階段を使う
など,日ごろの行動をちょっと変えてみませんか?
健康づくりだけでなく,自由に使えるお金も増える,一石二鳥の自己投資と考えて
みるのもいいかもしれません。
福岡市は,「歩きたくなるまちづくり」として,市内の各地域ごとのウォーキング
マップをつくっています。
興味のある方は,ぜひ一度サイトを見てみてください。
「自然に」「楽しみながら」歩けるコースが,皆さんの身近なところに見つかるかもしれません。
■福岡市ウォーキングマップはこちら
なお,JAGES(日本老年学的評価研究)プロジェクトによる高齢者を対象とする調査では,
「『憩いのサロン』」参加で認知症リスク3割減」「運動を家族や友人と『一緒に』行って
いる人は,不健康と感じている人が少ない」といった研究報告が最近発表されています。
歩く先にある「人との出会いやかかわり合い」が,90年という長い人生で見たときに,
健康に良い効果をもたらしているようです。
福岡市保健福祉局 政策推進部長 中村 卓也氏